白酒と甘酒、どう違う?
一言で言うと、白酒はお酒で、甘酒はお酒ではありません。
江戸時代はともに飲まれていました。
気になるレシピは次の通り。
白酒レシピ
「蒸したもち米と米麹を諸白(もろはく。江戸時代に作られた上質の酒)に仕込み、ひと月ほど熟成させた後、すりつぶす」
ひな祭りに白酒を飲むようになったのは、江戸時代も後期になってからのようです。
江戸の神田鎌倉河岸にあった豊島屋(現在も営業されています)さんは、ひな祭りの時期になると、白酒を買うお客さんで大賑わいだった模様。

上の絵は、その豊島屋さんの様子を描いたものです。
出典は『江戸名所図会』巻之一(1834/天保5年)。画像右上にあるお店が豊島屋さんですね。
店先に吊るされた看板にはお店のトレードマーク「カネジュウ」が描かれています。以下、豊島屋本店さんのホームページから「カネジュウ」についての説明を引用します。
豊島屋本店のトレードマークは「カネジュウ」で、外側の金尺を示す部分と、内側の「十」の文字から成ります。金尺は大工道具で「安定」の象徴であり、また語呂から「繁盛」に繋がると言われております。そして、「十」は初代十右衛門の名前の一部で、初代を称えています。この「カネジュウ」は、実直な商いと商売の安定・繁栄を祈って懸命に働いた初代の志を表しております。
(「豊島屋本店」さまホームページより引用)
「江戸メシ」展では、この白酒を作る最終工程、石臼で白酒をすりつぶし、なめらかにする様子を描いた絵が展示されていました。歌川豊国作「大極上ふじの白酒」(1797〜1801年頃)です。
では次に、甘酒のレシピを見てみましょう。
甘酒レシピ
「蒸したもちごめ(または炊いたうるち米)に米麹を加え、保温して、澱粉が糖化したら(甘くなったら)飲む。別名、一夜酒(ひとよざけ)」
現代では「甘酒」と聞くと、寒い時期のお祭りや年越しの際に訪れた神社や寺院などで飲める「温かい飲み物」をイメージしますが、江戸時代の、特に京坂では、もっぱら夏の夜だけに売られていたようです。
江戸時代のレシピには、即席で作った甘酒には白砂糖を入れて飲むと書いてあります。
ただでさえ甘い飲み物にさらに砂糖を入れるとは…(汗)。
「甘い」は「うまい」とはよく言ったものですが、飲み過ぎにはご注意を。
